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製造・在庫

BOM(部品表)管理システム比較|モーターの型番を1つ変えるとき、Excelと専用ツールで何が違うか

設計変更のたびに「部品表のExcelはどれが最新か」「この部品はほかのどの装置に使っていたか」を人に聞いて回っている会社に向けて、その手間がどこまで減らせるのかを、製品ごとに追いかけた記事です。料金と機能は2026年10月1日〜4日に確かめた内容です。

更新日
2026年10月4日
カテゴリ
製造・在庫

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先に結論を3つ書きます。


BOMツールを探す前の分かれ道

BOM(Bill of Materials、部品表)は、製品を作るのに必要な部品と、その数量をまとめた表です。専用ツールを比べる前に、そもそもBOMツールを別に買う必要があるかどうかが、2つの点で分かれます。

生産管理システムを入れる予定か、もう入っているか

MRP(必要な部品の数と時期を計算する機能)は部品表がなければ動かないので、MRPを持つ生産管理システムには部品表を登録する場所があります。その部品表で版や設計変更まで扱えるなら、BOMツールを別に買うと、同じ部品表を2か所で直す羽目になります。生産管理の候補は生産管理システムの比較で扱っていますが、そちらではBOM機能までは比べていません。候補各社に版管理・設計変更・逆展開をどこまで扱えるかを問い合わせ、足りないと分かってから、この記事に戻ってきても遅くありません。

Excelのままでよい会社

Excelを続けてよいかは、次の3つで見当がつきます。KOB_BLOG編集部の目安で、ベンダーや業界団体が定めた基準ではありません。

迷ったら、先月の設計変更を1件選び、「変えた部品を使っている製品をすべて挙げる」作業に何分かかるかを測ってみてください。普段その部品表を触らない人にも同じ作業を頼み、挙がった製品を発注履歴と照らし合わせると、漏れの有無も分かります。数分で終わって漏れもなければ、Excelの下ごしらえだけで足りることが多いです。何人かに聞いて回らないと答えが出ないなら、次の章で追う流れが、そのまま自社の困りごとになっています。

2D CADや手描き図面の会社へ

2D CADや手描きの図面で設計している会社でも、BOMツールは使えます。CADから構成を自動で取り込む機能が効くのは、主に3D CADで部品の組み合わせ(アセンブリ)を作っている会社です。そうでなければExcelやCSVの取込で部品表を作れば足ります。CAD連携を「必須条件」にして候補を狭める必要はありません。図面と部品表をつなげたい場合は、Bom-jinのCAD連携(図枠・部品欄との連携)や、Tomoraku PLMのDWG/DXF対応ビューアが候補になります。どこまでつながるかは、Bom-jinの公式説明とTomoraku PLMの掲載情報(ASPIC・イプロス)からは読み取れません。なお、電子部品の生産終了品(EOL)の管理は、この記事では扱いません。


モーター1個の型番変更を、3つのやり方で最後まで追う

ここからは、よくある流れを示す架空の例で説明します。実在の会社の事例や利用者の声ではありません。製品の動きは、各社の公式ページ(一部はベンダー自身がイプロスやASPICに載せた情報)で確かめられた範囲だけを書き、書かれていないことは「公式に記載なし」として扱います。

例にするのは、架台・モーターユニット・制御盤の3つでできた小型の搬送装置「CV-01」です。部品表を親子関係で書くと、次のようになります。

搬送装置 CV-01の部品表(架空の例)
  • 搬送装置 CV-01
    • 架台 FR-01 ×1
      • フレーム材 ×4
      • アジャスター脚 ×4
    • モーターユニット MU-01 ×1
      • ギヤードモーター M-100 ×1
      • モーターブラケット BK-10 ×1
      • 六角ボルト M6×20 ×4
    • 制御盤 CP-01 ×1
      • インバーター ×1
      • 端子台 ×2

「親」は組み上がる側(モーターユニット)、「子」はそこに入る部品(モーター)です。右側の「×1」「×4」が員数で、親1個に子がいくつ要るかを表します。同じM-100は、別の搬送装置CV-02と昇降ユニットLU-03にも使われているとします。

起きる変更はこうです。CV-01で運ぶ物が重くなり、トルクが足りなくなったので、モーターをM-100から一回り大きいM-120に替える。M-120は取付穴の位置が違うため、ブラケットもBK-10からBK-12に替わる。取付穴が違う以上、M-120はM-100と差し替えて使える部品ではありません。モーターユニットMU-01をほかの装置と共用しているなら、MU-01を書き換えるとそちらまで変わってしまうので、MU-02のような新しい品番を起こすかどうかもここで決めます。この1件を、①Excel、②BOM専用クラウド(例としてCelb)、③設計用と製造用の部品表の連携を公式に明記した製品(例としてBom-jinとVisual BOM)の3つでたどります。

1. 変更に気づいた人が、依頼を残す

最初の差は、「替えたい」という話がどこに残るかです。設計変更の依頼をECR(Engineering Change Request)と呼びます。

Excelで回している会社では、依頼は会話やメール、紙のメモから始まり、部品表のファイルとは別の場所に残ります。設計者がCV-01のファイルを直しても、なぜ直したのかはファイルの外にしかありません。

Celbの公式の機能ページには、依頼を起票する機能は見当たりません。依頼の連絡そのものは、メールやチャットなどCelbの外で回すことになります。

Visual BOMはECRを起票する機能を持ち、「誰が、なぜ替えたいのか」をシステムの中に残せます。Bom-jinの公式ページとイプロス掲載情報には、依頼を起票する仕組みの説明は見当たりませんでした。

2. そのモーターを使っている製品を洗い出す

M-100を替えると決めたら、次の問いは「M-100はほかに何に使っているか」です。部品から上へ、その部品を使っている製品をたどることを逆展開(Where-used)と呼びます。設計変更の影響範囲をつかむための作業で、ここで漏れると、CV-02やLU-03の部品表に古い型番が残ったままになります。

Excelで製品ごとにファイルを分けているなら、全部のファイルを開いて「M-100」を検索する作業になります。品名が「ギヤードモータ」「減速機付モーター」のように人によって揺れていると、検索からも漏れます。数式やマクロを作り込まないと多階層の展開・逆展開に手間がかかりやすい、とBOMを売る側の解説記事(例: 大塚商会のコラム)は指摘しています。

下ごしらえの3のように、親品番・子品番・員数を1シートに並べてあれば、子品番の列をフィルターでM-100に絞るだけで、M-100を直接使っている親(1階層上)は一覧できます。その親を使っている製品までさかのぼるには、同じ絞り込みを階層の数だけ繰り返します。

Celbは品目をキーに逆展開ができ、「影響先一括編集」で、その部品を使う構成をまとめて、または選んで書き換えられます。CV-01だけをM-120に替え、CV-02とLU-03はM-100のまま残す、という判断をシステムの上で行えるのが要点です。

Visual BOMでは、逆展開で影響範囲を確かめる手順が、ECR/ECOの機能とあわせて公式に説明されています。Bom-jinの公式情報には「逆展開」という言葉は出てきません。大塚商会がイプロスに載せた情報には「最新品目更新機能」「一括Ver.Up機能」という名前の機能が挙がっていますが、使い先を洗い出す画面があるかは読み取れないので、デモで見せてもらう点です。

3. 版を上げて、承認を通す

影響範囲が分かったら、部品表の版(リビジョン)を上げます。版は変更の履歴番号で、「CV-01のRev.BではモーターがM-120」と後から再現できるようにするためのものです。依頼が通ったあとに出す正式な変更指示はECO(Engineering Change Order)と呼びます。

Excelでは、ファイル名に「_RevB」と付けたり、変更履歴のシートを作ったりして版を表します。保存先によってはファイルの履歴機能で過去の状態に戻れるので、版管理ができないわけではありません。課題に挙がりやすいのは、誰かが古いファイルをコピーして作業を始めたときに、それを止める仕組みがない点です。

Celbは構成のバージョンを自動で採番し、日時やバージョン名から過去の構成を開けます。承認はチェックボックス式で、メール通知や回覧の進み具合を見る機能は提供していないと公式の機能ページに明記されています。設計課長が1人でOKを出せば済む会社なら、これで困りません。設計・製造・購買の3部署の合意を取ってから変える会社には物足りないはずです。

Visual BOMでは、変更指示のECOと、関係部署への連絡にあたるECN(Engineering Change Notice)も起票でき、変更前後を見比べられます。承認経路は、全員の承認が要る合議(AND)と、誰か1人でよい並列(OR)を組み合わせられ、承認者のスキップや代理承認も設定できます。Bom-jinは公式ページで、設計変更のたびに改版して常に最新版を管理すると説明しており、大塚商会がイプロスに載せた情報には構成変更の差異を表示する機能も挙がっています。

海外製のOpenBOMを考えている場合は、版管理とECOがどのプランに入っているかに注意してください(比較表2)。

モーターが替われば図面も改版します。図面やCADデータを管理する仕組みをPDM(Product Data Management)、企画から設計・製造・保守までの製品情報全体を管理する仕組みをPLM(Product Lifecycle Management)と呼び、BOM管理はPLMの中心にある機能です。Visual BOMは組立型製造業向けのPLMとして紹介されており、Tomoraku PLMは図面管理とBOMをまとめてクラウドに置く製品です。

4. 製造用の部品表と手配に流す

ここまでで設計の部品表は直りました。最後の関門は、その変更が製造と購買に届くかどうかです。ここで、設計の部品表と製造の部品表の違いが効いてきます。

E-BOM(設計部品表)は、設計が「何を作るか」を機能のまとまりで表した部品表です。M-BOM(製造部品表)は、製造が「どう作るか」を表すために、組立の順番や買う単位を加えた部品表です。CV-01で並べると、品目の切り方がこう変わります。

CV-01の品目の切り方(設計の部品表と製造の部品表)

設計の部品表(E-BOM)

  • 架台 FR-01
  • モーターユニット MU-01
    • M-100、BK-10、ボルト×4
  • 制御盤 CP-01
    • インバーター、端子台×2

製造の部品表(M-BOM)

  • 工程1 架台組立
  • 工程2 モーターユニット組付け
    • M-100、BK-10、ボルト(100本入りの箱で購入)
  • 工程3 制御盤取付け
    • 制御盤 CP-01(外注先から完成品で購入する1品目)
  • 工程4 配線・試運転

制御盤を外注している会社なら、設計では中身まで書き込む制御盤が、製造と購買にとっては「外注先から買う1品目」になります。部門によって品目の切り方が違うので、E-BOMからM-BOMへの変換作業が生まれます。部門ごとに品目コードが違う、二重入力で食い違う、といった問題がよく挙げられるのも、この受け渡しの部分です。

Excelのままだと、製造課や購買が設計のファイルを見て、自分たちのファイルへ写す形になりがちです。M-100からM-120、BK-10からBK-12への書き換えが写されなければ、購買は前回と同じM-100とBK-10を発注します。購買が設計の部品表を見て手配表を作っている会社では、その手配表が事実上のM-BOMです。

Celbの公式ページには、E-BOMとM-BOMを区別したり変換したりする機能の説明がありません。用意されているのは、出力した構成情報(CSV)を介して生産管理システムとつなぐ方法と、月額の追加料金がかかるAPIオプション(合計10ライセンス以上が条件)です。設計の部品表を1つ正しく持つことには強い一方、製造用の切り直しはCelbの外か、生産管理システムの側で行う前提で考えることになります。外注品を設計の部品表でも最初から1品目として扱うなど、製造用に品目を切り直す必要がない会社なら、CelbのCSV出力をそのまま手配の元にする形で足ります。

Bom-jinは、設計部門のE-BOMから生産部門のM-BOMへ連携できると公式に書いており、同じ「生産革新」シリーズのRaijinなどの生産管理システムとつなげます。Visual BOMは、テンプレート機能でE-BOMからM-BOMとBOP(工程フロー、Bill of Process)を半自動で作れるとし、「ECO自動反映機能」で設計変更をBOPとM-BOMに反映できると公式に説明しています。設計が直したM-120を製造の部品表へ渡すところを、今回確認できた範囲で公式にはっきり書いているのはこの2製品です。

rBOMは設計部品表と製造部品表を1つの「統合部品表」で持ちますが、設計変更がどう流れるかの説明は公式ページにありません。OpenBOMもCompanyプランにAdvanced BOM(xBOM)という機能を持ちますが、E-BOMからM-BOMへの変換手順は今回調べていません。

M-BOMから先の発注・在庫の運用は、在庫管理・受発注SaaSの比較で扱っています。

4つの段階を通して見えること

Excelでは、4段階すべてが人の記憶と転記で回ります。Celbは2の逆展開と一括書き換え、3の版の手作業を大きく減らしますが、1の連絡と4の製造への切り直しは外に残ります。Visual BOMは1〜4のすべてを公式に説明しています。Bom-jinが公式に書いているのは3の改版と4のE-BOM→M-BOM連携で、1と2はデモで確かめる点です。この2製品は価格が見積制で、公式に載っている動作環境はどちらも自社サーバー型です。どこまでをシステムに任せたいかで、選ぶ製品の種類が決まります。

稟議を書く人へ: Excelのままで起きうる損失の伝え方

上の例で4の転記が漏れると、M-100とBK-10が発注されて旧仕様のモーターユニットのまま組み上がり、試運転でトルク不足に初めて気づく、という流れになりえます。そうなると、返品か余剰在庫、M-120とBK-12の再手配、納期の遅れがまとめて起きます。

経営者に説明するときは、ネット上の「Excel管理では○%のミスが起きる」といった数字より、自社の数字を使うほうが通ります。そうした数字も、この記事で触れたExcelの課題も、書いているのは多くがBOMやPLMを売る側で、中立の調査は今回見つかりませんでした。過去1年の設計変更のうち再手配になった件数と、1件あたりの部品代・作業時間を数え、どの段階で漏れたかで分けると、比べる相手が決まります。


7製品とExcelを表で比べる

設計変更の流れに関わる項目と、データの出入りに関わる項目を、2つの表に分けました。

設計変更の流れでの差(比較表1)

比較表1 設計変更の流れでの差
製品 種類・置き場所 E-BOM→M-BOM 版・設計変更・承認 逆展開 料金・無料試用
Excel(基準) 表計算ソフト。社内PCや共有フォルダ 手作業で転記 ファイル名や履歴シート、保存先の履歴機能で運用 検索や数式・マクロ次第 既存ライセンスの範囲。無料試用は該当なし
Celb BOM専用クラウド 公式に記載なし 自動バージョン採番、過去の構成を参照。承認はチェックボックス式 あり。影響先一括編集 公開(月額1万円〜、税抜)。最大2ヶ月無料
生産革新 Bom-jin 設計部門向けBOM。オンプレミス(自社サーバー)。クラウド版は公式に記載なし 公式に明記 改版で最新版を管理(公式)。一括Ver.Up、構成変更差異の表示(イプロス掲載) 「逆展開」の記載なし(イプロス掲載に最新品目更新機能) 要見積(イプロス掲載の価格帯は稟議の節)。無料試用は公式に記載なし
Visual BOM 組立型製造業向けPLM。サーバー・クライアント型。クラウド提供は公式に記載なし テンプレートでM-BOM・BOPを半自動生成。ECO自動反映でM-BOM・BOPへ反映 ECR/ECO/ECN、変更前後の比較、合議(AND)・並列(OR)承認、代理承認 あり 要見積。無料試用は公式ページで確認できず
rBOM 個別受注生産向けERP。オンプレミス/クラウド 設計部品表と製造部品表を「統合部品表」で管理 設計変更の流れは公式に記載なし 公式ページで確認できず 要見積。無料試用は公式ページで確認できず
OpenBOM 海外のクラウドBOM/PLM Advanced BOM(xBOM)はCompanyプラン。変換手順は今回未調査 版管理・ECOはCompanyプラン以上 公式ページで確認できず 公開(USD建て)。14日間無料
kintone+BOM管理パック 汎用の業務アプリ作成クラウド+公式サンプルアプリ 公式に記載なし 変更履歴の自動保存 多階層の逆展開は公式パックに記載なし 公開(スタンダード1,800円/ユーザー/月、税抜、最低10ユーザー)。30日間無料
Tomoraku PLM 図面管理(PDM)とBOMをまとめたクラウドPLM。国内データセンター(ASPIC掲載) 公式に記載なし リビジョン管理。承認ワークフロー・デジタル出図印(イプロス掲載)、設計変更の承認(ECO)(ASPIC掲載) 部品の逆引きあり 要見積(イプロス掲載の目安は製品ごとの補足)。無料試用は公式に記載なし

「公式に記載なし」「確認できず」は、公式ページ等で記載を見つけられなかったという意味で、機能がないという意味ではありません。「今回未調査」は本記事の調査範囲に入れていない項目です。CADベンダーが出しているPDM(SOLIDWORKS PDM、Autodesk Vaultなど)、Arena、PRISMは今回調べきれておらず、比較に入れていません。

データの出入り(比較表1b)

比較表1b データの出入り
製品 Excel・CSV CAD関連 下流(生産管理等)とのつなぎ
Excel(基準) そのもの 不要 CSVで渡す
Celb 指定Excel形式で親子関係を一括取込。CSV出力 対応CAD名の記載なし(Excel形式で構成を取込) CSVで生産管理と連携。APIオプションあり(合計10ライセンス以上)
生産革新 Bom-jin 公式ページで確認できず CAD連携機能あり(図枠・部品欄)。対応CAD名の記載なし 生産革新 Raijin等の生産管理と連携
Visual BOM Excelでの入力(2013〜2021)、CSV出力 XVLで軽量3Dと部品表を相互参照。3D形状の類似検索あり(対応CADは表の下) CSV出力
rBOM 公式ページで確認できず 公式に記載なし 販売・調達・在庫・原価まで同じシステム内
OpenBOM Excel・Google Sheetsから取込(多階層はLevel列)。入出力はTeamプランから 対応CADを製品名で公開(一覧は表の下)。CADアドインは別料金 Odoo・NetSuite・Dynamics 365 Business Central等。連携ごとに個別料金
kintone+BOM管理パック 公式パックのページに記載なし 公式パックに記載なし 公式パックのページに記載なし
Tomoraku PLM CSV一括入出力 CADビューアはDWG/DXF対応。3D CADとの連携は公式に記載なし CSV一括入出力・購買用BOM出力。API・生産管理連携は掲載情報で確認できず(2026年10月4日)

製品ごとの補足

生産革新 Bom-jinの動作環境はWindows ServerとSQL Serverで、機械・精密機械・電気器具・日用品の製造業や、装置の設計製造業を対象に挙げています。

Visual BOMは2026年6月26日にv6.2が出ており、AIによる2D類似図面検索や新規部品・組立の自動コストシミュレーションが加わりました。公式の事例は自動車・医療機器・産業機器です。

rBOMは、引合から売掛までの販売と、調達・在庫・原価を含む生産をまとめて持つERP(基幹業務をまとめて扱うシステム)で、半導体製造装置・繊維機械・油圧機器・食品機械など個別受注の業種を挙げ、「中小企業から大企業まで」としています。部品表だけを入れ替えたい会社には範囲が広すぎ、見積から原価までを1つにしたい装置メーカー向けです。

OpenBOMは、CAD連携の対象を製品名の一覧で公開しているのが7製品のうちOpenBOMだけです。一方で、2026年10月4日時点で、公式サイトでは日本語UI・日本語サポートの提供は確認できず、公式の認定パートナー一覧にも日本の代理店は掲載されていません(契約前に確かめることに入れています)。

kintoneの公式「BOM管理パック」は、材料台帳アプリとBOM管理表の2つのアプリで、変更履歴を自動で残し、kintoneのアカウントから無料のサンプルアプリとして追加できます。公式パックのページには多階層のツリー表示の記載はなく、ツリー表示にはgusuku Customine等のカスタマイズサービスの手順が公開されています。逆展開は、「関連レコード一覧」の設定で部品ごとに使用先を一覧する構成を組める可能性がある、という段階です。すでにkintoneを社内で使っている会社が、1階層の部品表から始める用途に向きます。

Tomoraku PLMは、公式サイトの本文を取得できなかったため、表の内容はASPICとイプロスに載ったベンダー提供の情報によっています。少量多品種や一品一様の製品を作る中堅・中小製造業を想定顧客にしていて(2024年5月のプレスリリース)、紙やファイルサーバーに散らばった図面とBOMをまとめてクラウドに移したい会社の候補です。E-BOM/M-BOMの連携や3D CADとの連携については、今回の情報源に記載がありませんでした。料金の目安は、ベンダーのイプロス掲載で「月額10万円〜」です(2025年3月更新の情報で、税込・税抜の別は未確認。2026年10月4日確認)。

Odoo(補足)は、生産・在庫・会計まで含む海外のERPで、PLMアプリではECOを使って部品表の変更を本番から切り離し、承認後に反映できます。部品表のバージョン履歴も残ります。PLMはStandard/Customのどちらのプランでも使えますが、他システムとAPIでつなげるのはCustomだけです。料金はユーザー単位の課金でUSD建て、表示は国・地域で変わるため、日本から契約したときの金額はここでは書きません。日本語サポートや国内パートナーの状況も今回は確かめられていないので、比較表には入れず補足にとどめています。


料金を公開している3製品の年額

編集する人(有料ライセンスを持つ人)が3人の会社と10人の会社で、年額を計算しました。料金は2026年10月4日に確認した公式ページによります。

比較表2 料金を公開している3製品の年額
製品・プラン 編集者3人 編集者10人 閲覧だけの人 計算式 このほかにかかりうる費用
Celb(税抜) 300,000円/年 930,000円/年 2人目以降のライセンス1つにつき2名まで追加費用なし(3人なら4名、10人なら18名) (基本料金5,000円+1人目5,000円+7,500円×(人数−1))×12か月 初期費用0円(公式トップページ)。テンプレート出力、容量追加(100GBで20,000円/月)、API(基本50,000円/月、合計10ライセンス以上が条件)などのオプション
OpenBOM Company(年払い、USD建て) US$3,240/年 US$10,800/年 無料・人数無制限 US$90×人数×12か月 CADアドインUS$25/席/月(年払い、CADごと)、2,000レコードを超えるとデータ量の追加料金(追加分の金額は今回確定できず)、ERP連携は個別料金
(参考)OpenBOM Team(年払い、USD建て) US$1,080/年 US$3,600/年 無料・人数無制限 US$30×人数×12か月 版管理(Revisions Control)とECOは含まれない
kintone スタンダード(税抜) 216,000円/年(最低10ユーザー分) 216,000円/年 閲覧だけの人向けの無料枠は料金ページに記載なし 1,800円×ユーザー数(最低10)×12か月 ツリー表示などを外部のカスタマイズサービスで足す場合はその費用

OpenBOMは為替で円の金額が動くため、円に換算していません。円の予算は、上の年額に契約時点の為替レートを掛けて見積もってください。編集者3人のCompanyプランで3人がCADアドインを1種類ずつ使うと、US$3,240+US$25×3席×12か月=US$4,140/年です。Celbの基本料金は1〜20ライセンスまで5,000円/月で、21ライセンスからは上がります。

閲覧だけの人をどう数えるかで、差の開き方が変わります。例えば編集者10人に加えて現場で見るだけの人が5人いる場合、Celbは18名まで、OpenBOMは何人でも追加費用がかかりません。kintoneは料金ページに閲覧だけの人向けの無料枠が書かれていないので、5人も1ユーザーずつ数えると15ユーザーで324,000円/年です。

価格を公開していない4製品の見積を取るとき

Tomoraku PLM、Bom-jin、Visual BOM、rBOMは見積制です。複数社を比べるなら、依頼の条件を次のようにそろえておくと、出てきた金額を横に並べられます。

あわせて、モーター1個の型番変更の例を、M-BOMと手配への反映までデモで見せてほしいと頼むと、カタログの言葉と実際の画面の差が見えます。


困りごと別の出発点

まず整えたい、小さく試したい会社

Excelの下ごしらえを先に済ませておくと、Celbの無料期間に1製品分を入れたとき、逆展開にかかる時間をExcelと比べやすくなります。すでにkintoneを契約しているなら、BOM管理パックを追加して1階層から試す手もあります。

購買が設計の部品表を見て手配している小さな会社

製造用の部品表を別に作っておらず、購買の手配表が事実上のM-BOMになっている会社は、見積制の製品に進む前に、Celbの閲覧枠で購買にも設計と同じ部品表を見せる形を試せます。閲覧枠は編集ライセンスの2つ目から1つにつき2名分付き、1つ目には付きません(比較表2)。設計が1人の会社では閲覧枠が0名なので、購買に見せるには2つ目のライセンス(7,500円/月)が要ります。設計のファイルを手配表へ写す作業が減るので、写し忘れでM-100のまま手配される漏れは起きにくくなります。箱単位で買うボルトのような、買う単位への切り直しは購買の手作業として残ります。

製造用の部品表を別に持ち、設計変更が正しく伝わらない会社

見積先はBom-jinとVisual BOMの2社です。Bom-jinは価格帯の目安が分かる(稟議の節)ので、予算の当たりを先に付けられます。同じ「生産革新」シリーズの生産管理(Raijin)と組み合わせたいならBom-jin、承認経路が多段で工程フロー(BOP)まで管理したいならVisual BOMが話の起点になります。図面とのつなぎ方の違い(比較表1bのCAD関連の列)も決め手です。OpenBOMのCompanyプランも候補に入りますが、日本語対応とE-BOMからM-BOMへの変換手順は今回確かめていません。

3D CADから構成を取り込みたい会社

まず、使っている3D CADのメーカーが出しているPDMで足りるかを確かめます(この記事では調べていません)。そのうえで、日本語対応が確認できていない点を受け入れられるなら、OpenBOMのCompanyプランとCADアドインの組み合わせが候補です。国内ベンダーでは、Visual BOMがXVLで3Dと部品表を相互参照できます。CADから構成を取り込めるかと、構成取込に対応するCADは、公式に記載がありません。Tomoraku PLMは、図面とBOMをまとめてクラウドに移したい会社向けの候補です。

見積から手配・原価まで1つのシステムにしたい会社

個別受注の装置メーカーや、生産管理を入れる予定の会社は、rBOMと、生産管理システムの比較で扱った製品を同じ土俵で比べます。海外製でも構わなければOdooも選択肢に入ります。


Excelから移す前の3つの下ごしらえ

どの製品を選んでも、そしてExcelを続けると決めた場合でも、次の3つは先に済ませておくと後が楽です。

1. 今のExcelを棚卸しする。 部品表のファイルがいくつあり、どこに置かれ、誰が更新しているかを一覧にします。最新版をどう見分けているか(ファイル名、更新日、口頭)も書き出します。ここで同じ製品の部品表が2つ見つかることもあります。

2. 品番と品名のルールをそろえる。 同じモーターが「ギヤードモーター」「ギヤードモータ」「減速機付モーター」と別々の名前で載っていないか、品番が重複していないか、入力ミスがないかを洗い出し、1つの書き方に決めます。名前が揺れたままだと、段階2のような検索で使い先が漏れます。

3. 階層を「親品番・子品番・員数」の行に直す。 Excelでよく見る「1」「1-2」「1-2-3」のような番号で階層を表す書き方を、親と子の組み合わせを1行ずつ並べる形に変えます。CV-01なら次のとおりです。

CV-01の親子行(一部)
親品番 子品番 員数
CV-01FR-011
CV-01MU-011
CV-01CP-011
MU-01M-1001
MU-01BK-101
MU-01B-06204

B-0620は六角ボルト M6×20の品番です。上の行はCV-01の一部で、架台と制御盤の中身は省いています。CelbのExcel取込も、指定のExcelフォーマットに品目の親子関係を書き込む形です。この形になっていれば、どの製品の取込形式にも合わせやすくなります。


契約前に確かめること


まとめ

まずは先月の設計変更を1件選んで、使い先を挙げるのに何分かかったかと、製造・購買に届くまでに何回転記したかを数えてください。その結果で、出発点のどの分岐に当たるかが決まります。候補が決まったら、料金を公開している製品は無料期間に1製品分の部品表を入れて同じ作業をやり直し、見積制の製品は見積の条件をそろえる項目に沿って見積を頼んで、モーター1個の変更を手配への反映までデモで見せてもらってください。


出典

確認日: Celb・OpenBOM・kintone・Odooの料金とプラン、Visual BOMのv6.2とECO自動反映、Bom-jinの動作環境とイプロス掲載の価格帯、Tomoraku PLMのイプロス・ASPIC掲載、OpenBOMの日本語対応とExcel取込、kintoneのBOM管理パックと多階層表示・逆展開は2026年10月4日。それ以外の機能は2026年10月1日〜3日。


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